【夜桜】妖しくも美しく…読書のススメ

昔読んだ『散華』という小説の表紙が、日本画家の加山又造先生の絵で、
私の中では、「夜桜」と言えば、このイメージが浮かびます。

加山先生の描く夜桜は、人の手が入っているにも関わらず、篝火を、月明りを、その身に照らして、孤高に美しく光り輝きます。


そして、夜桜が導くイメージのもう一つは、坂口安吾先生の『の森の満開の下』

 

ぞっとするほど、残酷で美しく、虚しく哀しい物語。
読むほどに恐ろしく、読むほどに引き込まれる、魔性の短編小説です。

そう、夜の桜は、妖しいものまで惹き寄せてしまうほど、妖艶な美しさに満ちているのです。


なんて、おどろおどろしく語ってみましたが、日岡山公園夜桜を見に行ってきました。

夜桜見物のピークも過ぎたようで、また日暮れ前に到着したこともあり、ゆっくり桜を眺めることが出来ました。

屋台が出て、ぼんぼりも灯り、桜もちょうど満開を少し過ぎて、花びらも舞い始め、本当に良い風情でした。
この週末もぎりぎり見ることが出来るかな、と思います。


ちなみに、「の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」のは、梶井基次郎先生の短編『櫻の樹の下には』。

(青空文庫版はこちら

桜が美しいのは、死体から栄養を吸っているからなのだ…という妄想から始まる、散文詩のような短編小説。こんなことを考えながら「花見の酒が呑めそうな気がする」という主人公に、フワッと意識を持っていかれそうになります。


もう少しライトなもので言えば、森見登美彦先生の『新釈走れメロス他四篇』の中に、新釈「桜の森の満開の下」があります。

 

舞台を現代京都に、主人公の山賊を作家に「新釈」して描かれる世界で展開する物語は、やはり哀しさと美しさを感じさせられる作品になっています。


 

」をキーワードに、ちょっと幻想味の強い作品を紹介しました。

私は、勉強のための読書なんてつまらないと思っています。
本は、特に小説は、面白いかどうか、心に残るかどうか、なのです。

教科書に載っている本は、いわば商品見本。
面白いと思えば、その作家の本を、そのジャンルの小説を、どんどん読めば良いのです。

他人に言われて「読まされる」くらいなら、書を捨てて街に出た方が、よほどためになります。
逆に、面白い本、好きな作家との出会いは、とても価値のあることなのです。

皆様が、自分にとって良き本に出合えますように。

 

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